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T05 ホームセキュリティの5年・10年総額を計算する方法|月額だけで比べない

「月額5,000円なら5年間で30万円」と考えていないでしょうか。

実際には、工事費、機器購入費、保証金、オプション料金などが加わります。反対に、保証金のように条件を満たせば返還されるお金もあります。月額だけを比べると、利用期間中に必要な金額も、レンタルと買い取りの違いも正しく把握できません。

先に結論を示すと、基本式は次のとおりです。

5年総額=初期費用+月額料金×60か月+必須の都度費用
10年総額=初期費用+月額料金×120か月+必須の都度費用

ただし、金額が公開されていない解約金、撤去費、追加工事費などを勝手に0円にしてはいけません。「計算外・要確認」として残し、正式な見積書へ置き換えるのがポイントです。

セコムとALSOKの公式掲載例で計算手順を示します。機器・サービス構成は同一ではないため、総額だけで優劣を決める比較ではありません。

目次

ホームセキュリティを月額だけで比べられない理由

月額料金は家計負担を知る目安ですが、総額を決めるのは月額だけではありません。

レンタルは一般に、初期費用を抑えやすい代わりに月額が高くなります。買い取りは機器代などを最初に支払うため、月額が低くなります。さらに、初期費用0円のプランでは、工事費や機器費相当が月額側に含まれる場合があります。

たとえば月額5,000円と8,000円なら、毎月は3,000円の差です。5年間では18万円、10年間では36万円の差になります。しかし、月額5,000円のプランに40万円の機器購入費が必要なら、短い利用期間では月額8,000円のプランより総支出が大きい場合があります。

もう一つの理由は、ホームセキュリティの料金が住宅ごとに変わることです。窓や扉の数、建物構造、設置する機器、工事条件、オプションによって正式な料金は変わります。公式サイトの金額は比較の練習には使えますが、自宅の予算確定には使えません。

ホームセキュリティ総額の計算式

まず、料金を「契約時」「毎月」「必要時」「終了時」に分けます。そのうえで、確定している金額だけを基本式へ入れます。

5年・10年総額の基本式

利用期間計算式月数
5年初期費用+月額料金×60+必須の都度費用60か月
10年初期費用+月額料金×120+必須の都度費用120か月
任意の年数初期費用+月額料金×12×年数+必須の都度費用12×年数

ここでいう「必須の都度費用」は、その期間中に発生することが契約上決まっている費用です。毎年必ず必要な通信費、定期交換費などが該当する場合は含めます。一方、故障、移転、中途解約など、発生するか分からず金額も不明なものは、0円として足すのではなく別表で管理します。

月額オプションは月額料金に加算してから月数を掛けます。年額費用があれば、5年では5倍、10年では10倍します。消費税込みと税別の数字が混在しないよう、原則として税込額へ統一してください。

総額だけでなく「最初に必要な現金」も分ける

同じ5年総額でも、初期費用をまとめて払うプランと毎月払うプランでは、家計への影響が違います。次の二つを並べましょう。

  • 契約時の支払額:工事費、機器費、保証金など
  • 利用期間中の総額:契約時支払額と月額、必須費用の合計

総額が低くても、初期支出が予備資金を大きく減らすなら、家庭に合うとは限りません。

総額に含める費用

見積書の金額を次の表へ転記します。空欄を0円にせず、「含む」「不要」「要問い合わせ」を確認してください。

費用項目一覧

時点費用項目総額での扱い確認ポイント
契約時工事費・取付費原則含める機器費に含まれるか
契約時機器購入費買い取りなら含める税込額、取付費の有無
契約時保証金・預り金一時支出として別表示返還時期と返還条件
毎月基本月額月数を掛けて含める「から」か確定額か
毎月必須オプション基本月額に足す火災、見守り、通信など
必要時出動費契約上必須なら含める異常時と本人依頼時を分ける
必要時修理・電池交換確定費用だけ含める無償期間と対象外条件
変更時追加・移設工事金額不明なら計算外増改築、機器追加、転居
終了時解約金該当する場合に含める満了と中途解約を分ける
終了時撤去・原状回復金額不明なら計算外賃貸・分譲の工事条件

同じ「駆けつけ」でも、センサー異常による緊急出動と、利用者が任意に依頼する出動で料金が異なる場合があります。名称ではなく、どの場面に料金が発生するかを確認しましょう。

セコム公式FAQでは、センサーが異常を感知した場合や非常ボタンが押されて緊急対処員が出動した場合、別途料金は発生しないとしています。ただし、オプションや別サービスに基づく出動では料金が生じる場合があります。[セコム「料金についてよくあるご質問」](確認日:2026年9月6日)

保証金は総額へどう入れる?

保証金は、支払った時点では家計から出ていくものの、条件を満たせば後で戻る可能性があるお金です。そのため、「総支払額に必ず含める」「費用ではないので最初から除く」のどちらか一方に決めると実態を見誤ります。

保証金の扱い

表示方法計算分かること
支払時ベース初期費用に保証金を含める契約開始から終了前までに必要な資金
返還後ベース支払総額-実際に返還された保証金満期終了後の実質負担
返還未確定総額とは別に「預け入れ中」と表示中途解約などで返還条件が変わるリスク

セコムの戸建てレンタル料金例では、保証金20,000円は非課税で、契約満了時に返却すると表示されています。FAQでは当初5年、以後1年ごとの自動更新とされ、契約期間中の中途解約では原則として保証金が返還されない旨も示されています。訪問販売に該当する契約の例外も記載されているため、正式な契約条件を確認してください。[セコム「プラン別価格・費用比較一覧」](確認日:2026年9月6日)、[セコム「ご契約についてよくあるご質問」](確認日:2026年9月6日)

10年時点でまだ契約を継続しているなら、保証金は返還されていません。この場合は、10年までの資金流出には含めつつ、最終的な費用とは分けて表示するのが分かりやすい方法です。

レンタルと買取は同じ計算式で比較する

レンタルと買い取りは、どちらも「初期費用+月額×月数」の式で計算できます。違うのは、初期費用と月額の配分、機器の所有・保守条件、終了時の扱いです。

比較項目レンタル買い取り
初期費用比較的抑えやすい機器購入費により大きくなりやすい
月額機器レンタル分を含み高くなりやすい低くなりやすい
機器保守会社負担の範囲を確認無償保証の期間と対象外を確認
契約終了機器返却・撤去条件を確認機器とサービス終了後の扱いを確認
向く可能性初期支出を抑えたい、保守を重視長期利用予定、初期資金を用意できる

「買い取りは長く使えば必ず得」とは言えません。初期費用と月額差、修理条件はプランで異なり、転居などで想定年数まで使わない可能性もあります。

損益の分かれ目を出すなら、次の式を使えます。

分岐月数=(買い取りの初期費用-レンタルの初期費用)÷(レンタル月額-買い取り月額)

ただし、保証金、保守、撤去費などの条件が違う場合は、単純な分岐月数だけで決めないでください。契約方式そのものの選び方は次の記事で扱います。

5年・10年試算:セコムとALSOKの公式料金例

ここからは計算例です。試算結果は実際の請求額ではありません。 建物・機器構成が異なるため、セコムとALSOKの金額を直接比べて「安い会社」を決める表でもありません。

試算の共通前提

  • 計算日:2026年9月6日
  • 公式ページ掲載の税込料金例を使用
  • 月額料金は5年・10年の間変わらないと仮定
  • オプション、料金改定、追加工事、移転、中途解約、撤去、原状回復などは含めない
  • 個別見積もりではなく、計算方法を示すための例

セコム戸建てプラン例の試算

セコム公式の「セコム・ホームセキュリティNEO」戸建て例では、レンタルは月額8,470円、工事料69,960円、保証金20,000円です。買い取りは月額5,170円、買取システム料金474,760円で、取付工事料を含みます。いずれも税込、保証金は非課税です。[セコム「プラン別価格・費用比較一覧」](確認日:2026年9月6日)

契約方式5年計算式5年の支払時総額10年計算式10年の支払時総額
レンタル69,960+20,000+8,470×60598,160円69,960+20,000+8,470×1201,106,360円
買い取り474,760+5,170×60784,960円474,760+5,170×1201,095,160円

レンタルの保証金が満期終了時に全額返還された場合、返還後ベースは5年で578,160円です。10年時点で契約継続中なら保証金はまだ預けたままなので、1,106,360円がそれまでの資金流出となります。10年で契約を適切に満了し、2万円が返還された後なら1,086,360円です。

この例では、5年はレンタルの支払額が小さく、10年は保証金をどう表示するかで見え方が変わります。したがって「10年なら必ず買い取りが得」という結論にはなりません。実際には住宅別の機器構成と正式な料金を入れて計算し直す必要があります。

ALSOK公式の5年・10年試算例

ALSOK公式は「HOME ALSOK Connect オンラインセキュリティ」の標準的な一例として、5年・10年総額を掲載しています。公式説明では、月額料金×利用月数に初期費用を加えて算出しています。

契約方式月額料金5年総額10年総額
お買い上げプラン4,070円516,450円760,650円
レンタルプラン7,865円519,750円991,650円
ゼロスタートプラン8,668円520,080円1,040,160円

出典:[ALSOK「各商品費用・料金比較一覧」](確認日:2026年9月6日)

検算すると、お買い上げプランは516,450-4,070×60=272,250円、レンタルは519,750-7,865×60=47,850円が掲載総額に含まれる初期費用相当です。ゼロスタートは8,668×60=520,080円で初期費用0円の計算と一致します。10年総額もそれぞれ月額×120+同じ初期費用で一致します。

ALSOKは、緊急時の出動は月額に含む一方、本人の依頼による「ALSOK HSプラス」は7,700円/回、解約時費用は契約期間・時期により異なり問い合わせが必要と案内しています。発生が確定していないため、上表には加えていません。

5年・10年試算例を読むときの注意

両社の金額差を会社比較に使ってはいけません。センサー数や監視範囲が同一とは確認できないためです。同じ会社内の契約方式を理解するか、自分の見積書を計算する見本として使ってください。

計算に含めない不明費用は0円にしない

公開情報や見積書で金額を確認できない費用は、「発生しない」のではなく「現時点では計算できない」費用です。総額表の下に残しておき、契約前に一つずつ確認します。

不明になりやすい費用試算での扱い見積もり時の質問
機器追加・特殊工事計算外現地確認後に増える条件は何ですか
将来の料金改定予測せず計算外改定時の通知方法と解約の扱いは
中途解約金金額不明なら計算外1年目・3年目・5年目前で解約した場合はいくらですか
撤去・原状回復金額不明なら計算外持ち家・賃貸で撤去費はいくらですか
転居時の移設計算外移設、再工事、旧居撤去の費用は
保証対象外の修理計算外過失、災害、保証期間後の負担は
任意出動利用回数を決められなければ計算外どの依頼が有料で、1回いくらですか

不明費用が多いプランは、総額が安いのではなく、比較可能な情報が少ないだけです。「確定総額○円+計算外6項目」のように表示すれば、不確実性まで比較できます。

見積書への当てはめ方

正式な見積もりを受け取ったら、次の順序で整理します。

  1. 比較条件をそろえる:監視する窓・扉、火災・非常通報、見守りなどを同程度にする
  2. 税込へ統一する:税別金額があれば税込へ直し、非課税の保証金は分ける
  3. 契約時支払額を合計する:機器、工事、事務、保証金などを足す
  4. 月額を完成させる:基本料と必須オプション、通信費などを足す
  5. 60か月・120か月を掛ける:5年と10年を同じ料金が続く仮定で計算する
  6. 必須の都度費用を加える:期間中の発生が確定するものだけを足す
  7. 保証金を二段表示する:支払時と、返還条件を満たした終了後を分ける
  8. 不明費用を欄外に残す:0円にせず、担当者へ書面で回答を依頼する

合計額が近い場合は、初期支出、保守、契約の柔軟性、家族が操作し続けられるかで判断してください。

特に転居の可能性がある家庭は、10年総額が安く見えるプランより、3年や5年未満で終了した場合の負担が重要です。賃貸は撤去・原状回復、分譲マンションは管理規約と工事申請、空き家は保有予定年数を確認します。

見積書の比較項目と質問例は、次の記事で詳しく確認できます。

よくある質問

ホームセキュリティの5年総額は月額×60でよいですか?

月額だけのサービスを除き、通常は不十分です。初期費用、機器・工事費、必須オプション、保証金、必須の都度費用を確認してください。基本式は「初期費用+月額×60+必須の都度費用」です。

保証金は5年総額に含めますか?

支払時の資金流出には含めますが、返還条件を満たして実際に戻った後は差し引けます。「保証金込みの支払時総額」と「返還後の実質負担」を併記し、返還されない条件も確認するのが安全です。

10年使うなら買い取りの方が得ですか?

必ず得とは限りません。初期費用と月額差、無償修理の期間、料金改定、転居・解約の可能性で変わります。自宅の正式見積もりを同じ計算式へ入れ、契約方式ごとに比較してください。

解約金や撤去費が分からない場合はどう計算しますか?

0円にはせず、「計算外・要問い合わせ」と記載します。現時点で計算できる総額と、不明項目の数・内容を一緒に比較してください。契約前には金額または算定方法を書面で確認します。

公式サイトの料金例と見積書のどちらを使いますか?

自宅の判断には正式な見積書・契約書を優先します。公式料金例は計算方法の理解や、見積もり前の概算に使うものです。住宅・機器・工事の条件が違えば金額も変わります。

まとめ:総額と不明費用を一緒に比較する

ホームセキュリティの5年・10年総額は、次の式で計算できます。

総額=初期費用+月額料金×利用月数+必須の都度費用

ただし、保証金は支払時と返還後を分け、解約・撤去・修理など金額を確認できない費用は0円にしないことが重要です。公式の料金例は計算練習に使い、最終的には自宅の監視範囲をそろえた正式見積もりへ置き換えます。

次は、初期支出、保守、利用予定年数からレンタルと買い取りのどちらが家庭に合うかを比較してください。その後、見積書の確認項目を使って不明費用を埋めれば、家族で判断できる総額表になります。

著者について

47歳。妻と小学生の子ども2人との4人家族。現在はマンションに住み、過去に戸建てで暮らした経験があります。本人・家族の住居を含め、ホームセキュリティのある暮らしを30年以上経験してきました。警備業務や営業、設置、保守などの実務経験、防犯関係の資格はありません。生活者の視点で、公式情報と確認可能な条件を基に執筆しています。

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