旅行や帰省、入院、出張で家を空けるときは、「窓は閉めたか」「郵便物はどうするか」「異常通知が来たら誰に頼るか」と不安になりやすいものです。
先に結論をいうと、長期不在の防犯で最初に行うのは、特別な機器を増やすことではありません。玄関・窓などの施錠、郵便物・新聞・宅配物をためない手配、不在が分かるSNS投稿を控えること、異常時の連絡順を決めることが基本です。
ホームセキュリティ利用者も、警備開始、エラー表示、緊急連絡先を確認してから出発します。
この記事では、出発前、不在中、帰宅後の順に確認事項を整理します。旅行日程、住所、鍵の預け先を書き込んだチェック表は、家族内だけで管理してください。
先に結論|長期不在の防犯は「残さない・知らせない・迷わない」
出発前の対策は、次の3点にまとめられます。
- 侵入につながる抜けを残さない:玄関だけでなく、窓、勝手口、ベランダ側など普段使わない開口部も一つずつ確認する
- 不在情報を広げない:郵便受けに投函物をためず、SNSへ旅行中と分かる情報をリアルタイムで載せない
- 通知後に迷わない:異常通知を誰が確認し、警備会社、管理会社、警察・消防へ誰が連絡するか決めておく
警察庁も、窓とドアの確実な施錠と、防犯性能の高い建物部品などの活用を案内しています。防犯設備は被害を必ず防ぐものではないため、施錠を土台に対策を重ねます。
[住まいる防犯110番|警察庁](確認日:2026年9月8日)
まずは、全体のチェック表で抜けを確認してください。
| 時期 | 防犯チェック | 生活・設備チェック | 連絡チェック |
|---|---|---|---|
| 出発前 | 玄関・窓・勝手口等を施錠/補助錠等を確認/合鍵を屋外に置かない | 郵便・新聞・宅配の手配/不要な家電を安全に停止/屋外の飛散物等を片付ける | 家族の連絡順/管理会社・警備会社の連絡先/緊急時の判断基準を共有 |
| 不在中 | 通知が来たら内容と時刻を確認/異常時に一人で現場へ向かわない | 配達予定を必要に応じて変更/長期なら許可を得た人や契約サービスが外観等を確認 | 応答できない時間帯の代理人を決める/緊急時は110番・119番 |
| 帰宅後 | 外から扉・窓の破損や異変を確認/異常時は入室しない | 郵便・新聞の再開/水漏れ・停電・家電等の異常を確認 | 通知履歴を確認/預けた鍵を回収/連絡先や手順の改善点を記録 |
戸締まり|出発直前にすべての出入口を一周する
防犯の土台は戸締まりです。玄関だけで終わらせず、家の中を一方向に回り、窓や勝手口も一つずつ確認します。最後に確認する担当者を一人決めると、「誰かが閉めたはず」を防ぎやすくなります。
窓が枠にきちんと収まっているか、補助錠やシャッターなど普段使う設備が通常どおり動くかも見ます。故障を出発直前に無理に直さず、施工会社や管理会社へ相談してください。
賃貸や分譲マンションで補助錠、防犯フィルム、カメラを新設する場合は、賃貸借契約や管理規約を確認します。
詳しい物理防犯は、[内部リンク候補:窓・玄関の防犯対策|T28]で確認してください。
郵便物・新聞・宅配物をためない
日本郵便では、不在届を提出すると郵便物等を最長30日間保管し、期間満了後にまとめて配達する制度を案内しています。自宅宛てのすべての郵便物等が対象で、家族の一部や種類だけは選べません。受付後には不在届受付確認票が自宅へ届くため、余裕をもって手続きします。
[長期間不在とする場合の郵便物等の配達について教えてください|日本郵便](確認日:2026年9月8日)
新聞は契約している販売店へ休止日と再開日を連絡します。宅配便や定期購入品は、各事業者の公式サービスで受取日時・場所を変更できるか確認してください。玄関前や宅配ボックスへ荷物が残り続けないよう、旅行前に発送通知や定期便も見直します。
知人へ回収を頼む場合は了承を得て、対象と頻度を共有します。鍵の受け渡し方法や保管場所をSNSや公開カレンダーへ書かないでください。
SNSでは旅行中と分かる投稿を控える
旅行先の写真をその場で共有したくなりますが、リアルタイム投稿には「今、自宅にいない」という情報が含まれます。写真の位置情報だけでなく、本文、同行者の投稿、写り込んだ予約票や移動予定、帰宅予定日のコメントにも注意が必要です。
「非公開アカウントだから大丈夫」とは限りません。再共有やスクリーンショットも考え、旅行の記録は帰宅後に公開するのが無難です。ALSOKも、施錠、投函物対策、警備開始とともに、不在が分かるSNS投稿を控えるよう案内しています。
[長期休暇時の防犯対策について|ALSOK](確認日:2026年9月8日)
当サイトのコメント欄や問い合わせフォームにも、旅行日程、住所、家族全員の不在予定、鍵の預け先を書き込まないでください。
照明・外観は「異常に気づける状態」を整える
照明は玄関まわりや通路の視認性を補いますが、つけておくだけで安全になるわけではありません。長期間のつけっぱなしも一律には勧められません。タイマーや遠隔操作を使う場合は、説明書に従い事前に動作を確認します。
外から見える範囲では、郵便物、宅配物、飛散しやすい物、伸びすぎた草木など、放置や事故につながるものがないか見ます。集合住宅では共用部のルールも確認します。
カメラやセンサーライトは、隣家や道路を必要以上に撮影・照射しないよう配慮し、必要な通知が届くか事前に試します。
緊急連絡は「通知を見る人」と「現場対応する人」を分ける
連絡先は、最初の人が応答できない場合の次の人まで決めます。家族全員がスマートフォンを確認できない時間も想定してください。
| 状況 | 最初に確認する人 | 主な連絡先 | 決めておくこと |
|---|---|---|---|
| センサー・カメラの通知 | 家族の担当者 | 契約事業者、必要に応じて警察 | 誤作動と決めつけず、誰が履歴・映像等を確認するか |
| 管理会社・近隣からの連絡 | 家族の担当者 | 管理会社、所有者、契約事業者 | 応答できない場合の代理連絡先 |
| 侵入や不審者の可能性 | 安全な場所にいる人 | 緊急なら110番 | 一人で帰宅したり、相手を確認しに行ったりしない |
| 火災・煙・救急の可能性 | 通知を受けた人 | 緊急なら119番、契約事業者 | 住所と状況を正確に伝え、指示に従う |
| 水漏れ・設備異常 | 家族の担当者 | 管理会社、住宅会社、保険会社等 | 緊急連絡先と契約番号を私的な場所に保存 |
警察官にすぐ現場へ来てほしい緊急時は110番、緊急ではない警察相談は#9110、消防車・救急車が必要な場合は119番です。通知だけで原因を断定せず、分かる住所・時刻・状況を伝えて指示に従います。
[警視庁ホームページ](確認日:2026年9月8日)
[119番緊急通報|総務省消防庁](確認日:2026年9月8日)
連絡先表に住所、鍵の保管場所、警備の解除情報などを書き込んだ場合は、公開クラウドや家族以外が見られる場所に置かないでください。
ホームセキュリティ利用者が出発前に確認すること
ホームセキュリティを契約している家庭は、出発前に次を確認します。
- 外出時の警備モードを通常どおり開始できる
- 操作端末やアプリに未解決のエラー表示がない
- 登録している緊急連絡先と優先順位が現在も正しい
- 家族のスマートフォンで必要な通知を受け取れる
- 通信機器やセキュリティ機器に必要な電源を誤って切らない
- ペット、掃除ロボット、工事予定、立入り予定者などを事業者へ申告すべきか確認した
- 異常通知を受けたときの連絡先と行動を家族で共有した
警備会社型は、異常検知後に監視センターへの通報や対処員の駆けつけにつながる仕組みです。ただし、施錠、警備開始、連絡先更新は必要です。検知対象、出動条件、別料金等はプランで異なるため、契約書・利用案内を優先してください。
セコムは、契約者向けに旅行・出張時のポスト投函物回収や家の見回りを案内しています。また、同社の「長期不在宅サービス」は1年以上居住者のない自宅を対象とする別サービスです。短期旅行向けの見回りと、継続的な空き家管理を混同しないよう、対象期間・提供地域・料金を公式ページで確認してください。
[あんしんサポート|セコム](確認日:2026年9月8日)
ペットが留守番する家庭は、[内部リンク候補:ペットがいる家庭のホームセキュリティ|T24]も確認してください。
一時的な長期不在と継続的な空き家は分けて考える
「長期不在」に一律の日数基準はありません。戻る日が決まった一時不在と、日常的な管理者がいない住宅では必要な管理が変わります。
| 比較項目 | 旅行等の一時不在 | 継続的な空き家・留守宅 |
|---|---|---|
| 主な期間・状態 | 数日〜数週間など。生活の本拠で、帰宅予定が決まっている | 居住者が継続的におらず、帰宅・再居住時期が未定または長期 |
| 中心となる対策 | 戸締まり、投函物停止、SNS、連絡体制、警備開始 | 定期巡回、投函物、通気・通水、火災・設備、庭・近隣対応、記録 |
| 確認頻度 | 出発前、不在中の通知時、帰宅後 | 月単位等で継続。物件状態や契約内容により設定 |
| 外部サービス | 必要な家庭のみスポット見回り等を検討 | 管理を続けられない場合は巡回・機械警備・併用を比較 |
| 次に読む記事 | T28「窓・玄関の防犯対策」 | T22「空き家管理の基本」またはR11「空き家・留守宅向けサービス比較」 |
郵便物が多い、通知後に現地対応できる人がいない場合は、外部サービスが役立つことがあります。一方、基本対策で対応できる一時不在なら、有料サービスを急ぐ必要はありません。
不在が反復・長期化し、自分や家族による定期確認が難しくなったら、[内部リンク候補:空き家管理の基本|T22]で管理項目を整理し、必要な場合だけ[内部リンク候補:空き家・留守宅向けサービス比較|R11]へ進んでください。
帰宅後は外から異変を見てから入る
帰宅したら入室前に、玄関や窓、郵便受け、外回りに破損や不自然な変化がないか確認します。侵入の可能性を感じたら入室せず、安全な場所から110番してください。自分で相手を探したり、追跡したりしてはいけません。
異常がなければ警備を通常の手順で解除し、停電、水漏れ、異臭、家電等を確認します。火災やガス漏れ等の可能性があれば、機器を操作せず離れ、119番や契約事業者へ連絡してください。
最後に、郵便・新聞の再開、預けた鍵の回収、通知履歴を確認し、見落としや連絡漏れがあれば次回までに手順を直します。
よくある質問
何日以上なら「長期不在」の防犯対策が必要ですか?
一律の日数基準はありません。1泊でも全出入口の施錠は必要です。郵便・新聞・宅配物がたまる期間、通知後に対応できる人の有無、ペットや設備の管理を考え、必要な項目を選んでください。数週間を超えて管理が継続する場合は、空き家管理の観点も加えます。
郵便局の不在届を出せば、新聞や宅配便も止まりますか?
いいえ。日本郵便の不在届は、日本郵便が扱う自宅宛ての郵便物等を最長30日間保管する制度です。新聞は販売店、宅配便や定期購入品は各事業者へ別に手配してください。
SNSを非公開にしていれば旅行中に投稿してもよいですか?
非公開設定だけで安全とはいえません。再共有やスクリーンショット、同行者の公開投稿などもあるため、防犯を優先するなら帰宅後の投稿が無難です。日程、住所、鍵情報は公開範囲を問わず書き込まないでください。
ホームセキュリティがあれば、近所の人や管理会社への連絡は不要ですか?
一律にはいえません。ホームセキュリティは契約範囲の異常検知・通報・対応を担いますが、水漏れ、共用部、郵便物、災害後の建物確認などは別の連絡先が必要な場合があります。必要最小限の人だけに、不在日程の詳細ではなく連絡方法と対応範囲を共有してください。
カメラやセンサーから異常通知が来たら、すぐ帰宅すべきですか?
侵入や火災の可能性がある場合、一人で現場へ向かうのは避けます。安全な場所で通知内容を確認し、契約中の警備会社、管理会社、緊急なら110番または119番へ連絡して指示に従ってください。通知だけで原因を断定しないことも大切です。
まとめ|チェックリストと連絡順を家族で共有してから出発する
旅行・帰省などの長期不在で優先したいのは、玄関と窓の施錠、郵便物・新聞・宅配物をためない手配、SNSで不在を知らせないこと、異常時の連絡順の4点です。
ホームセキュリティ利用者は、警備開始、エラー表示、通知、緊急連絡先を確認します。未利用でも、通知後に誰が動くかを決めておきます。
チェックリストを保存し、次に[内部リンク候補:窓・玄関の防犯対策|T28]で出入口を確認してください。不在が反復・長期化し、現地確認できない場合は、[内部リンク候補:空き家・留守宅向けサービス比較|R11]へ進みます。
著者プロフィール
「まもる君のホームセキュリティ見積帳」運営者。47歳、妻と小学生の子ども2人の4人家族です。現在はマンションに住み、過去に戸建てで暮らした経験があります。本人・家族の住居を含め、ホームセキュリティのある暮らしを30年以上経験してきました。
