セコムとALSOKを比較するとき、「緊急発進拠点や待機所が多い会社ほど、自宅にも早く来てくれるのでは」と考える人は少なくありません。ところが、全国の拠点総数はネットワーク規模を見る参考にはなっても、特定の家までの到着時間を表す数字ではありません。
2026年9月9日に公式情報を確認したところ、セコムは「緊急発進拠点 約2,500カ所(2026年3月末現在)」と掲載しています。一方、ALSOKについては、現在の個人向け公式サイトで全国の待機拠点総数を確認できませんでした。古い公式記事に掲載された数値を現在値として横並びにすると、基準日も定義もそろわない比較になります。
この記事では、確認できる公表値と確認できない項目を分けたうえで、拠点数から分かること、駆けつけ時間を単純に推定できない理由、自宅条件について両社へ聞く方法を整理します。
セコム・ALSOKが公表している拠点数
最初に、両社の公式サイトで現在確認できる情報を整理します。大切なのは、空欄を他サイトの推測や古い数字で補わないことです。
| 会社 | 公式サイト上の表現 | 現在確認できる全国値 | 基準日 | 比較時の扱い |
|---|---|---|---|---|
| セコム | 緊急発進拠点 | 約2,500カ所 | 2026年3月末 | 現在の公式掲載値として参照できる。ただし概数であり、自宅までの距離や所要時間ではない |
| ALSOK | 待機所・警備拠点などの表現あり | 現在値は確認できず | 未確認 | 現在の個人向けトップ・FAQで全国総数を確認できないため、セコムの数値と直接比較しない |
セコムの公式ページでは、全国に約2,500カ所の緊急発進拠点があり、2026年3月末現在の数値であることが明記されています。同ページでは、防犯上の理由から詳しい所在地をウェブで公開しておらず、近隣拠点や自宅までのおおよその駆けつけ時間は担当者へ確認するよう案内しています。
ALSOKは、異常信号をガードセンターが受信し、GPSによる現在位置情報をもとに早く到着できるガードマンを選ぶ仕組みを公式サイトで説明しています。また、郵便番号から最寄り待機所までの距離を調べる公式ページもあります。ただし、今回確認した現在の個人向けトップページとFAQでは、全国の待機拠点総数を確認できませんでした。
ALSOKの過去の公式記事には「全国2,400カ所」とする記載がありますが、2020年や2022年の情報です。現在の総数として継続掲載されていることや、セコムの「緊急発進拠点」と集計範囲が同一であることを確認できないため、上表には現在値として採用していません。
なお、ALSOKの会社概要にある支社・支店・営業所の数は、組織上の事業所数です。警備員が発進する待機拠点数と同じとは限らないため、合計して比較することもできません。
両社の数字は同じ「拠点数」として比較できるか
現状では、両社を同じ基準の全国拠点数として正確に横並びにはできません。第一に、片方は基準日付きの現在値を掲載し、もう片方は現在の全国値を確認できないからです。第二に、「緊急発進拠点」「待機所」「警備拠点」「営業所」などの言葉が、必ずしも同じ施設や運用単位を表すとは限りません。
比較表を読むときは、数字の大きさだけでなく、次の3点をセットで確認します。
- いつの数字か:基準日が古ければ、統廃合や増設後の現状と異なる可能性があります。
- 何を数えた数字か:警備員の待機拠点、営業所、提携先を含む拠点など、集計範囲が違えば総数も変わります。
- 誰が公表した数字か:公式の現在値なのか、過去記事の転載や第三者の推計なのかを区別します。
比較サイトでは「セコムは何カ所、ALSOKは何カ所」と簡潔に並ぶことがあります。しかし、基準日や用語の定義が書かれていなければ、同じ物差しで比べたことにはなりません。「多い方が上」と順位を付ける前に、比較可能なデータかを確認する必要があります。
| 全国の拠点数から分かること | 全国の拠点数だけでは分からないこと |
|---|---|
| 会社が公表するネットワークのおおよその規模 | 自宅に最も近い対応拠点との距離 |
| 公表時点で使われている名称と概数 | 地域ごとの配置密度や担当範囲 |
| 全国展開を説明する一つの材料 | 警備員・車両のその時点の待機状況 |
| 過去情報と更新状況を確認する手掛かり | 異常信号から現地確認までの保証時間 |
| 見積もりで質問すべき項目 | 自宅の建物条件を含む実際の対応品質 |
全国値は会社全体の規模をつかむ入口として使い、契約判断は自宅住所を前提にした説明へ進むのが現実的です。
拠点数と駆けつけ時間の関係
全国の拠点が多ければ、広い地域をカバーするための基盤があるとは考えられます。しかし、「全国で何カ所あるか」を全国の面積で割っても、自宅への到着時間は算出できません。拠点は均等に配置されているとは限らず、地域ごとの住宅密度や契約状況、道路事情も違うためです。
駆けつけに関わる主な要素には、次のようなものがあります。
- 自宅住所がサービス提供区域に含まれるか
- 自宅を担当する待機体制と通常の移動条件
- 警備員や車両の稼働状況
- 時間帯、交通量、工事、天候などの道路事情
- 集合住宅の入館方法や建物内の移動条件
- どの異常を検知し、どの時点で出動判断をする契約か
- 自動で出動する場合と、利用者の依頼で出動する場合の違い
また、「駆けつけ時間」という言葉自体も確認が必要です。異常信号を受信してから出動するまで、出動してから敷地付近へ到着するまで、建物内の確認を始めるまででは、計測の始点と終点が違います。会社から目安を聞けた場合も、何分をどの区間として説明しているかを確かめましょう。
警備会社が示す所要時間は、通常の交通条件などを前提にした参考値であることがあります。見積もり時に「おおよそ○分」と案内されても、個々の警報に対する到着を保証する数字とは限りません。「拠点数が多いから必ず早い」「全国どこでも同じ時間で来る」とは判断しないことが大切です。
さらに、駆けつけの早さだけがホームセキュリティの評価軸ではありません。何を検知できるか、警報時に家族へどう連絡するか、現地で何を確認するか、必要に応じて警察・消防へどう連携するか、誤操作時にどう対応するかも契約内容に関わります。
自宅ごとの条件を確認する方法
自宅での条件を知るには、公式サイトの公開値だけで結論を出さず、両社へ同じ住所・同じ希望機能を伝えて見積もりを依頼します。住所を伝える前に、問い合わせ先が公式窓口であることを確認してください。拠点の詳しい所在地や警備員の移動経路を尋ねたり、ウェブ上へ公開したりする必要はありません。
ALSOKには、郵便番号を入力して最寄り待機所までの距離を確認する公式ページがあります。ただし、そこで示されるのは距離に関する情報で、到着時間の保証ではありません。地域によっては個別問い合わせを案内される場合もあります。距離が表示されても、警備員の配置状況や交通条件、契約上の出動手順までは分からないため、見積もり時の確認を省略しないようにします。
セコムは公式ページで、近くの緊急発進拠点や自宅までのおおよその駆けつけ時間を担当者へ質問するよう案内しています。住所ごとの目安が得られるか、どの条件を前提にした説明かを確認しましょう。
両社を公平に比べるには、問い合わせ条件をそろえることが重要です。戸建てと集合住宅、導入するセンサー、在宅・外出時の警戒方法、駆けつけを希望する場面が違えば、説明内容や見積もりも変わります。最初に家族の希望を短くまとめ、同じ質問表を使うと比較しやすくなります。
| 見積もり時の質問 | 確認する目的 | 記録しておく内容 |
|---|---|---|
| この住所は希望サービスの提供区域内ですか | そもそも契約できるかを確認する | 対応可否、対象外の機能 |
| 自宅までの駆けつけ時間の目安は説明できますか | 全国値ではなく住所別の条件を見る | 目安の範囲、説明日 |
| 目安時間の始点と終点はどこですか | 「何分」の定義をそろえる | 信号受信、出動、現地到着など |
| その時間は保証値ですか、参考値ですか | 確約と目安を混同しない | 保証の有無、前提条件 |
| 時間が変わる主な条件は何ですか | 交通・天候・建物条件などを知る | 担当者が挙げた変動要因 |
| どの異常で自動的に出動しますか | 契約上の出動条件を比較する | センサー種別、確認手順 |
| 家族から駆けつけを依頼できますか | 自動出動以外の利用条件を見る | 利用条件、追加料金の有無 |
| 通常の担当者が対応中の場合はどうなりますか | 代替体制の説明を確認する | 案内された運用の概要 |
| 警報後、家族にはいつ・どう連絡されますか | 現地対応と通知の流れをそろえる | 電話、アプリ、登録順 |
| 説明内容は見積書や資料で確認できますか | 後日の認識違いを減らす | 資料名、記載箇所 |
目安を明確に案内できない場合は、その一点だけで直ちに候補から外すのではなく、「なぜ示せないのか」「どの範囲までなら説明できるのか」を確認します。そのうえで、出動条件、通知方法、機器構成、月額・初期費用、契約期間を含めた総合比較へ進みます。


拠点数を比較するときの注意点
拠点数の記事や営業資料を見るときは、次の点に注意すると誤解を減らせます。
基準日のない数字を現在値として使わない
拠点数は増減する可能性があります。記事の公開日だけでなく、数値そのものの基準日を確認します。更新日の新しい記事が古い数字を引用している場合もあるため、「○年○月現在」の表示が重要です。
「約」を外して断定しない
「約2,500カ所」は2,500カ所ちょうどという意味ではありません。概数は概数のまま記載し、細かな差を根拠に優劣を決めないようにします。
営業所と待機拠点を足し合わせない
会社概要に掲載される本社、支社、支店、営業所は、組織や営業網を示す情報です。緊急発進のための拠点と定義が異なる可能性があるため、置き換えたり合算したりできません。
法令上の上限と実際の目安を混同しない
機械警備には都道府県公安委員会規則に基づく即応体制の基準がありますが、規則上の基準を「必ずその時間で自宅に到着する保証」と読み替えることはできません。住所別の説明は契約前に会社へ確認します。
拠点の所在地や対応経路を公開しない
詳しい待機場所や運用情報には防犯上の配慮が必要です。比較に必要なのは所在地の特定ではなく、自宅が対応区域か、どのような条件で駆けつけるか、所要時間の目安を説明してもらえるかです。
数字がそろわないときは無理に順位を付けない
今回のように一方の現在値を確認できない場合、「A社の方が拠点数が多い」とは結論づけられません。公表範囲の違いを明示し、自宅条件の確認へ切り替える方が、契約後の使い勝手を判断する材料になります。
拠点数以外に比較したい項目
警備会社を選ぶ最終段階では、拠点数と住所別の駆けつけ目安に加えて、次の項目も同じ見積書上で比べます。
- 防犯、火災、非常通報など希望する機能が基本料金に含まれるか
- 異常検知から家族への連絡、現地確認までの順序
- 駆けつけに追加料金がかかる場面
- 初期費用、月額料金、機器の買取・レンタル条件
- 最低契約期間、中途解約、引越し時の扱い
- 停電や通信障害、機器故障時の案内と保守
- 家族が無理なく警戒・解除できる操作方法
外部の人による現地対応を重視するなら、警備会社型の出動条件を詳しく確認します。一方、通知を受けた家族が映像を確認し、自分で対応を判断するセルフ型やDIY機器もあります。後者は費用を抑えやすい反面、通知を見られない時間の対応者を家庭で決める必要があります。
[内部リンク候補:警備会社型とDIYホームセキュリティの違い]
よくある質問
セコムとALSOKは、どちらの拠点数が多いですか?
2026年9月9日時点では、同じ基準での比較はできません。セコムは「緊急発進拠点 約2,500カ所(2026年3月末現在)」を公表していますが、ALSOKの現在の全国待機拠点総数は公式の個人向けサイトで確認できませんでした。過去のALSOK公式記事の数値を現在値として並べるのは避けるべきです。
セコムは約2,500拠点あるため、必ず早く来ますか?
必ず早いとはいえません。全国総数はネットワーク規模の目安であり、自宅までの距離、担当体制、交通・天候、建物への入館条件、異常の種類などで所要時間は変わります。住所別の目安と前提条件を担当者へ確認してください。
異常があったら何分で到着しますか?
全国一律の時間では答えられません。両社へ自宅住所と希望プランを伝え、目安を説明できるかを確認します。その際、時間の始点・終点、保証値か参考値か、変動要因も質問しましょう。
最寄りの緊急発進拠点や待機所を調べられますか?
ALSOKには、郵便番号から最寄り待機所までの距離を確認する公式ページがあります。セコムは近隣拠点とおおよその駆けつけ時間を担当者へ尋ねるよう案内しています。詳しい所在地は防犯上公開されていない場合があり、比較のために所在地を特定する必要もありません。
駆けつけ時間の明確な目安をもらえない場合はどうしますか?
示せない理由と、提供区域・出動条件・変動要因のどこまで説明できるかを確認します。回答を記録し、もう一方の会社にも同じ質問をしてください。時間だけでなく、通知、現地対応、料金、契約期間、保守を含めて判断します。
まとめ
セコムは、緊急発進拠点を全国約2,500カ所、基準日を2026年3月末として公式に公表しています。ALSOKは現在の個人向け公式サイトで全国の待機拠点総数を確認できないため、古い数字を現在値として横並びにすることはできません。
そして、仮に両社の全国値がそろっても、拠点数だけで自宅への駆けつけ時間は決まりません。契約前には、同じ住所・同じ希望機能を前提に、住所別の目安、時間の定義、出動条件、変動要因、追加料金を両社へ同じ言葉で質問しましょう。数字の大小よりも、自宅で受けられる説明と契約内容をそろえて比較することが、納得できる選択につながります。
筆者は47歳で、妻と小学生の子ども2人の4人家族です。現在は集合住宅に暮らし、以前は戸建てで生活していました。この記事は警備業界の実務経験や専門資格に基づくものではなく、公式情報と家庭での比較観点を整理したものです。契約条件は必ず各社へ確認してください。
